「作業療法士はオワコン。やめといた方が良い」なんてことをよく聞きますが実際にそうなのでしょうか?
結論からお伝えすると、「不安要素はある!でも対策しておけば大丈夫!」です。
作業療法士は患者さんの人生に深く関わることの出来る、とてもやりがいのある仕事です。しかし、日本の人口問題・給料の推移・リハビリ業界の体質などを考えると
このまま作業療法士として働いてていいのかな?別の職業に就いた方がいいのかも…
と、不安になることも多いですよね。
今回、経験年数10年目の作業療法士である私が、作業療法士をやめておいた方がいい理由と今後の対策についてお伝えしていきます。
てんちゃん(@tenpariOT)
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作業療法士(OT)はやめておいたほうが良い理由
「作業療法士はやめておいたほうが良い理由」は具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
10年間作業療法士として働いてきた私が感じる「作業療法士はやめておいた方が良い」理由には以下のものがあります。
作業療法士はやめておいた方が良い理由
①給料が安い
②将来性がない
③人間関係がつらい
④時間外労働が多い
それでは、一つずつ紹介していきますね!
①作業療法士(OT)は給料が安い
作業療法士の仕事の平均年収は約350万円。日本の平均年収と比較すると低い傾向にあります。
月給で換算すると29万円、初任給は21万円程度が相場です。
そして今後、作業療法士の給料が著しく上がるという可能性は低いでしょう。その理由として
が挙げられます。
昨今、少子高齢化に伴う社会保障費が増大により、国の財政を圧迫しているのは周知の事実です。
医療・介護に掛かる膨大な費用を少しでも減らすため、診療報酬や介護報酬が引き下げの傾向に。そうなると、病院や介護現場の経営が苦しくなり、セラピストの雇用数抑制や給与の減少につながるわけですね。
また、管理職などに昇進することで給与は上がりますが、セラピスト全員が管理職になれるわけではありません。
これらの理由により、将来的に作業療法士の給料が上がる可能性は低いと考えます。
作業療法士のお給料については、私の実際のお給料についてまとめた記事がありますのでご興味がある方はそちらもどうぞ!
▶作業療法士の給料は安いの!?OTのリアルな給料&手取りを大公開【10年分】
②作業療法士(OT)は将来性がない
高齢者の増加によりリハビリテーションの需要は年々上昇。それに伴い、作業療法士(OT)の養成校も有資格者数も増加の一途を辿ってきました。
しかし、厚生労働省の2019年の推計によると、PT・OT の供給数は現時点ですでに需要数を上回っていて、2040年ごろの供給数は需要数の約1.5倍となる見通しです。
今後、作業療法士(OT)の需要が全くなくなるということはありませんが、より優れた作業療法士(OT)が選ばれる時代に突入すると推測されます。その時までに自己研鑽を積み専門性の高い作業療法士を目指すか、作業療法士ではない別の手段を選ぶ必要がありますね。
作業療法士の将来性については「作業療法士に将来性はない」を徹底解説!何歳まで働ける?の記事で、詳しく解説しています!
③作業療法士(OT)は人間関係が辛い
結論から述べると作業療法士(OT)は仕事の性質上たくさんのコミュニケーション必要であり、人間関係がつらいことがあるのは事実です。
患者さんは疾患や障害を抱えているため、精神的に不安定な方も多くコミュニケーションの過程でトラブルになってしまうこともあります。
また、作業療法士(OT)は患者さんだけではなく、医師・看護師などとチーム医療で連携していく必要があります。それだけ関わる人の数が多い分、人間関係での悩みは出てきますね。
このように、作業療法士(OT)が経験する人間関係のトラブルは数え切れないほどあります。多くの作業療法士がトラブルの度に悩み、辛い思いをしているのが現実です。
④作業療法士(OT)は時間外労働が多い
作業療法士(OT)は勤務時間外に勉強会や学生指導などが入ることが多く、サービス残業が増えやすい傾向にあります。
また、1日の単位のノルマが課されている職場では分単位でスケジュールがびっしりなんてことも。記録や書類関係は業務後にしか出来ない作業療法士(OT)も多いですね。
残業や時間外労働については【作業療法士は残業多い】残業の平均や残業代について解説!の記事で、より詳しく解説しているので、参考にしてみてください
「作業療法士をやめとけば良かった」にならないための対策
作業療法士をやめておけば良かったと感じる理由を紹介していきましたが、実際すでに作業療法士になっている場合はどうしたら良いでしょうか?
「作業療法士をやめておけば良かった」とならないための対策
①作業療法士だけの収入では正直不安。副業で対策すればOK
②将来に備えて、今自分にできることを考える
③人間関係が良好な職場を選ぶ
④作業療法士(OT)の時間外労働は環境次第
それでは、一つずつ紹介していきますね!
①作業療法士だけの収入では正直不安。副業で対策すればOK
現在、リハビリ職に限ったことでなく、どの職業においても1つしか収入源がないのはリスクが高いと言えます。
以前は、終身雇用制度が安定していたため、1つの職場で定年まで働くことができ、老後も安泰でした。しかし、終身雇用制度が崩壊した現在。減給や職を失うリスクはどの職業においても0とは言えないでしょう。
なので、副業(複業)で収入源を増やして、リスク分散をするのがおすすめ!
副業(複業)を行うことで、以下のようなメリットがあります。
ただし、副業の中でも働く時間を増やしただけの労働でのダブルワークは避けた方が良いでしょう。労働でのダブルワークはすぐに稼げる反面、将来的に自分の価値を上げることには繋がりにくいです。
そのため、すぐに沢山稼ぐことが難しい仕事でも、自分のスキルを高めることに繋がる仕事が副業にオススメです。
ただ「副業なんてもってのほか!本業に専念してスキルを磨かないと!」という意見もあります。
でも、作業療法士のスキルしかない状況で、作業療法士の仕事が厳しい状況になったらどうしますか?
結局自分の生活を守れるのは自分だけです。文句を言ってくる人たちが自分の未来を守ってくれるわけではありません。厳しいことをお伝えするようですが、自分の将来が不安なら自分でどうにかするしかないのです。
副業については作業療法士の副業はじめかた完全マニュアル!【10年目OTが伝授】の記事で詳しく解説しています。副業を始めてみたいけど何から始めたら良いのかわからないという方向けに1からまとめてあります!
②将来性がないかは現時点では断定できない
作業療法士はいずれ飽和すると言われていますが、以下のような理由で「作業療法士に将来性はある!」という意見もあります。
作業療法士に将来性があると考える理由
・これから更に高齢者数が増えるからニーズはある
・働く分野を変えれば大丈夫
・AI機器などの導入で生活スタイルが変わるから作業療法の需要も高まる
え?結局将来性はあるの?ないの?
現時点での断定は難しいね
もしかしたら作業療法士としてまだまだ働き続けられるかも知れません。それはとても喜ばしいことです。
でも、逆に何も準備をしていない状態で作業療法士として働けなくなった場合は最悪ですよね。自分を安心させたいがために「〇〇だから作業療法士は安泰だ!」と思い込もうとするのは危険だと思います。
自分がこれからのリスクに備えて何ができるのか、今自分にできることを考えていくことが大事ですね。
③人間関係は職場によって全然ちがう
作業療法士として10年働いた経験から感じるのは、職場の人間関係が辛いものになるかどうかは職場環境によります。特に直属の上司や先輩に恵まれていることが重要です。
例えば、トラブルが生じた際にこんな感じで対応してもらえると、かなり心強くないでしょうか?
これが逆に何のサポートやフォローもなく自力で乗り越えないといけないとしたら、すごい精神的負荷がかかりますよね。
人間関係が良好な職場を選ぶことが、作業療法士として充実して働ける大事なポイントです。
④作業療法士(OT)の時間外労働は環境次第
時間外労働が多いかどうかは、働く分野や働き方によるところが大きいです。
いかに業務時間内に仕事を終えられるような工夫がされているかどうかが大事ですね。また、時間外労働に対してきちんと残業代が支払われる職場は業務改善などをしっかりされていることが多い傾向があります。
残業や時間外労働については、【作業療法士は残業多い】残業の平均や残業代について解説!でより詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
【まとめ】なぜ「作業療法士はやめとけ」なのか?その理由と対策を解説
今回は、なぜ「作業療法士はやめとけ」というテーマについて、なぜそう言われてしまうのか理由と対策について解説していきました。
「作業療法士はやめとけ」という言葉は、今、現場で作業療法士として働く人たちの不満や不安が積み重なった結果生まれた言葉だと思います。
今あなたが、「作業療法士になるとやめておけばよかった…」と感じているとしたら、働き方や職場を変えることでその気持ちを変えられるかもしれません。
現に、私は転職することで自分に合った職場で働くことができました!
仕事の楽しさはほぼ職場環境で決まると言われています。
- 家庭の事情を考慮してもらいやすい
- 自己研鑽の機会をたくさん得られる
- ライフワークバランスが丁度良い
など自分に合った職場の基準は人それぞれです。
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担当者と合わないまま転職を進めるのは効率的ではありません。「言い出しにくい」などと遠慮せず担当者を変更してもらいましょう。
転職はその人の人生に関わる重要な決断ですから、信頼できる担当者を見つけることが大切です。
作業療法士は大変なこともありますが、患者さんの人生に深く関わることの出来るやりがいのある仕事です。だからこそ、作業療法士として安心して長く楽しく働ける職場環境が大切ですね。
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